なぜ読んだ本を忘れるのか
本を読み終えて数週間たつと、題名と印象だけが残り、中身はほとんど思い出せないことがよくあります。これは記憶力が悪いからというより、読み方のせいであることがほとんどです。目で文を追うだけだと、読んでいる間はすべて理解したように感じますが、頭の中から内容を取り出してみる過程がないため、記憶がしっかり定着しません。長く残る読書とは、たくさん読むことではなく、読んだものを自分で整理し、思い出し、見返す手間を少し加えることです。
読み終えるとすぐ忘れてしまう本を長く残すために、読む前・読む途中・読んだ後にすることと、思い出す・見返す・説明する方法をまとめました。
本を読み終えて数週間たつと、題名と印象だけが残り、中身はほとんど思い出せないことがよくあります。これは記憶力が悪いからというより、読み方のせいであることがほとんどです。目で文を追うだけだと、読んでいる間はすべて理解したように感じますが、頭の中から内容を取り出してみる過程がないため、記憶がしっかり定着しません。長く残る読書とは、たくさん読むことではなく、読んだものを自分で整理し、思い出し、見返す手間を少し加えることです。
本文を開く前に、数分だけかけて本の地図を描きます。前書きと目次、各章の見出しにざっと目を通すと、著者がどこへ向かおうとしているのか見当がつき、新しい内容を貼りつけておく枠ができます。次に、この本から何を得たいのか、問いを二つか三つ書いておきます。問いがあると、読んでいる間、答えになる部分で自然に注意が深まります。問いは大げさなものでなくてよく、この本を選んだ理由を書くだけでも十分です。
線をたくさん引いても、たくさん覚えられるわけではありません。線を引いた瞬間に理解した気になりますが、実際には文に印をつけただけだからです。印は控えめにして、代わりに余白やメモ帳に自分の言葉で短く書くほうが、より多く考えることにつながります。本に直接書きにくいなら、小さな付箋やノートをそばに置き、ページ番号と一緒に書いておくと、あとで探しやすくなります。
一つの章を読み終えたら、すぐ次の章へ進まずに、いったん本を閉じます。そして今読んだ章の要点を、見ないで三行ほど思い出して書いてみます。思い出せない部分はまだ理解が浅い所なので、そこだけ読み返せば十分です。はじめは思い出せることの少なさに戸惑いますが、こうして自分で取り出してみる過程そのものが記憶を強くします。同じ時間をかけて読み返すだけを繰り返すより、残るものが多い傾向があります。
読み終えたら、一枚ほどにまとめます。本全体をもれなく要約しようとするより、自分にとって意味のあったことを中心に書きます。まとめは読み終えたその日のうちにするのがよいでしょう。時間がたつほど思い出せることが減るからです。まとめた内容を一冊のノートや一つのフォルダーに集めておくと、いろいろな本の考えが互いにつながっていくのも見えてきます。
一度まとめた内容も、放っておけば薄れていきます。読んだ翌日、一週間後、一か月後のように間隔を広げながらメモを見返し、できればメモを見る前にまず思い出してみます。一回数分で十分です。人に本の内容を説明してみるのもよい方法です。説明していて詰まる所こそ、自分がきちんと理解していない所です。話す相手がいなければ、短い感想文を書くことでも似た効果が得られます。
すべての本を同じやり方で読む必要はありません。知識を得るための本は上の手順をていねいにたどるのがよいですが、小説や随筆なら、あらすじを覚えるより、印象に残った場面とそのとき考えたことを書きとめておく程度で十分です。一冊すべてではなく、必要な章だけを選んで深く読むのもよい読書です。最後まで読まなければという重荷から合わない本にしがみつくより、数章読んでみて今は必要ないと思えば手放すのも一つの判断です。
読んだ冊数を増やすことばかりに集中すると、かえって残るものが減ります。次のような習慣があれば見直してみる価値があります。たくさん読むこと自体はよいことですが、一冊をきちんと消化する経験を重ねてこそ、次の本も深く読めるようになります。
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